【2026年2月開始】親の不動産、全部わかりますか?「所有不動産記録証明制度」の使い方と4つの限界|江戸川区・葛西の行政書士が解説
ご相談で、こんなふうにお聞きすることがあります。
「お父さまの不動産、全部でいくつありますか?」
ほとんどの方が、少し考えてからこうおっしゃいます。
「……自宅と、あとは、たぶん田舎の土地が少し」
この「たぶん」が、あとで問題になります。
相続が起きたあとで見つかった土地。登記されないまま何十年も放置されていた畑。名義が祖父のままだった私道の持分。——実際、そういうものが出てきます。しかも見つかるのは、たいてい手続きが全部終わったと思ったあとです。
ところが2026年2月、この「探す」という作業が、ぐっと楽になる制度が始まりました。所有不動産記録証明制度といいます。
まだ始まって半年ほどで、ご存じない方がほとんどです。この記事では、江戸川区・葛西の行政書士が、この制度の中身と使いどころ、そしてあまり語られていない「4つの限界」まで正直に書きます。
相続でお困りの方にも、これから遺言を書こうという方にも、どちらにも効く制度です。
1. これまで、不動産を「探す方法」はありませんでした
意外に思われるかもしれませんが、これまで日本には「ある人が所有している不動産を、全国から一覧で調べる仕組み」が存在しませんでした。
理由は、登記記録の作られ方にあります。登記簿は土地や建物ごとに作られています。「この土地の持ち主は誰か」は調べられても、「この人の持ち物はどこにあるか」は調べられない。逆引きができない構造だったのです。
その結果、何が起きたか。
名義人が亡くなったとき、相続人がその不動産をすべて把握しきれない。見逃された土地は相続登記がされないまま放置される。そしてそれが積み重なって、いわゆる所有者不明土地になっていきました。
2024年4月に相続登記が義務になったこともあり、「そもそも探せないのに義務だけ課すのはおかしい」という声に応える形で、今回の制度がつくられました。
2. 所有不動産記録証明制度とは【2026年2月2日スタート】
ひとことで言うと、「この人が所有権の登記名義人になっている不動産を、全国分まとめてリストにして証明してくれる」制度です。
法務局に請求すると、一覧表になった証明書が交付されます。所在・地番・地目・地積などが並んだ、いわば「不動産の持ち物リスト」です。
誰が請求できるか
- 本人(所有権の登記名義人。法人も可)
- その相続人その他の一般承継人
- 上記の代理人(委任状があれば、行政書士などが代わりに請求できます)
つまり、元気なうちに自分の分を取ることもできますし、相続が起きてから相続人が取ることもできます。使い道が2通りあるのが、この制度の面白いところです。
どこで請求するか
全国どの法務局・地方法務局(支局・出張所を含む)でも請求できます。書面でもオンラインでも、郵送でも構いません。「不動産がある場所の法務局へ行かなければ」ということはありません。
江戸川区にお住まいの方なら、東京法務局 江戸川出張所が最寄りです(詳しい場所は後ろの章に書きました)。
手数料
検索条件1件につき、1通あたり——
- 書面請求(収入印紙で納付):1,600円
- オンライン請求・郵送で受取:1,500円
- オンライン請求・窓口で受取:1,470円
ここは少し注意が必要です。「検索条件1件につき」という数え方をします。
たとえば引っ越しを繰り返した方の場合、現在の氏名・住所だけでなく、過去の氏名や住所も検索条件に入れないと拾いきれません。検索条件を4件指定して1通請求すると、4件 × 1通 × 1,600円 = 6,400円になります。
必要な書類
本人が請求する場合
- 印鑑証明書(発行期限なし。この場合、請求書には実印を押します)または本人確認書類の写し(マイナンバーカード・運転免許証など。窓口では原本の提示も必要)
- 過去の氏名や住所を検索条件にする場合は、それを証明するもの(戸籍謄本・住民票の写し・戸籍の附票の写しなど)
相続人が請求する場合は、上記に加えて
- 亡くなった方との相続関係を証明するもの(戸籍謄本、法定相続情報一覧図の写しなど)
- 亡くなった方の過去の氏名・住所を検索条件にする場合は、除籍謄本・除かれた戸籍の附票の写しなど
代理人が請求する場合は、さらに委任状(請求人の実印を押し、請求人の印鑑証明書を添付)が必要です。
お気づきかもしれませんが、ここでも戸籍が要ります。相続の手続きは、どこを掘っても最後は戸籍に行き着きます。戸籍の集め方については別の記事に詳しく書きましたので、あわせてお読みください。
→ 【2026年版】相続の戸籍集めが楽になった「広域交付」とは?江戸川区・葛西での取り方を行政書士が解説
交付までの日数
登記所ごとに異なりますが、法務省は「制度開始当初は込み合うことも予想されるため、交付まで2週間程度要する場合があります」と案内しています。急ぐ手続きがあるときは、早めに動いてください。
3. 【正直に書きます】この証明書は万能ではありません
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
「全国の不動産が一覧で出る」と聞くと、これ1枚で完璧だと思ってしまいます。でも、そうではありません。法務省自身が注意点として挙げているものを含め、4つの限界があります。
限界① 検索は「氏名の前方一致+住所の一致」で行われます
システムは、次のルールで抽出します。
- 氏名(名称)の前方一致、かつ、住所の市区町村までが一致している人
- 氏名(名称)の前方一致、かつ、住所の末尾5文字が一致している人
つまり、登記簿に記録されている住所と、請求書に書いた住所が違えば、その不動産は出てきません。
ここが実は最大の落とし穴です。不動産を買ったときの住所のまま登記が放置されている、というのはごく普通にあることです。何度も引っ越した方、結婚で姓が変わった方は、過去の住所・氏名も検索条件に入れる必要があります(その分、手数料も増えます)。
逆に、氏名が前方一致で拾われる仕組みなので、同姓同名の別人の不動産が混ざってくることもあります。
限界② 未登記の建物は出てきません
この証明書は「所有権の登記がされている不動産」だけが対象です。表示に関する登記しかない不動産や、そもそも登記されていない建物は、検索の対象になりません。
古い物置、増築した部分、農地の作業小屋——このあたりは未登記のままというケースが少なくありません。
限界③ コンピュータ化されていない古い登記は出てきません
登記簿がまだ紙のままの不動産は、検索結果として抽出されません。山林や、権利関係が動いていない土地に、たまにあります。
限界④ 該当がなくても、手数料は返ってきません
検索の結果、該当する不動産がなかった場合も「該当なし」という証明が出て、手数料はそのままかかります。返金されません。
まとめると、この証明書は「強力だけれど、取りこぼしがある道具」です。あるのとないのとでは大違いですが、これ1枚で「全部わかった」と思い込むのは危険、ということです。
4. だから、プロは「名寄帳」と突き合わせます
では、どうすれば取りこぼしを減らせるのか。
答えは、もう1つ別の資料と突き合わせることです。それが名寄帳(なよせちょう)——正式には固定資産課税台帳といいます。
この2つは、拾ってくる根っこがまったく違います。
| 所有不動産記録証明書 | 名寄帳(固定資産課税台帳) | |
|---|---|---|
| どこが出すか | 法務局 | 市区町村(東京23区は都税事務所) |
| 何がベースか | 登記の名義人 | 課税の対象者 |
| 範囲 | 全国まとめて | その市区町村内のみ |
| 未登記の建物 | 出てこない | 載る |
| 登記が古い住所のまま | 拾えないことがある | 課税側で把握していれば載る |
おわかりでしょうか。片方の弱点を、もう片方が埋めています。
所有不動産記録証明書は「全国を横断できるが、登記されたものしか見えない」。名寄帳は「その区市町村の中だけだが、未登記の建物も課税されていれば見える」。
だから実務では、まず所有不動産記録証明書で全国をざっと押さえ、心当たりのある市区町村については名寄帳を取って突き合わせます。この2つが一致して初めて、「たぶん漏れはない」と言えます。
東京23区の場合、固定資産税を扱っているのは区役所ではなく都税事務所です。江戸川区の不動産なら江戸川都税事務所の固定資産税課になります。ここも、意外と知られていません。
5. 遺言を書く方へ|「自宅を長男に」では、遺言は働きません
ここからは、これから遺言を書こうという方に向けた話です。
遺言書で圧倒的に多い失敗が、財産が特定できていないというものです。
たとえば、こう書いたとします。
「自宅は長男○○に相続させる」
気持ちはよくわかります。でも、この書き方だと後で揉めます。「自宅」とはどこからどこまでなのかが決まらないからです。建物だけなのか、土地も含むのか。庭続きの隣の筆はどうなのか。前面の私道の持分は。
不動産は、登記簿のとおりに、所在・地番・家屋番号で書くのが正しいやり方です。
そしてここで多くの方がつまずきます。地番は、郵便物が届く住所とは別物です。「中葛西1丁目○番○号」は住居表示であって、地番ではありません。ご自宅の地番を正確に言える方は、まずいらっしゃいません。
財産目録は、パソコンで作っていいし、コピーを貼ってもいい
ここに救いがあります。2019年の民法改正で、財産目録だけは自筆でなくてよくなりました(民法968条2項)。
- パソコンで作った一覧表を添付してよい
- 登記事項証明書のコピーを貼ってもよい
- 所有不動産記録証明書の一部やコピーを貼ってもよい(法務省が明記しています)
- 通帳のコピー(銀行名・支店名・口座名義・口座番号がわかるページ)を貼ってもよい
ただし条件があります。記載のあるすべてのページに、署名と押印が必要です。ここを忘れると無効になりますので、必ず1枚ずつ署名・押印してください。
つまり、正しい手順はこうなります。
- 所有不動産記録証明書を取って、自分の不動産を洗い出す
- 名寄帳と突き合わせて、漏れがないか確かめる
- それぞれの登記事項証明書を取る(窓口600円、オンライン請求なら郵送520円・窓口受取490円)
- そのコピーを財産目録として遺言書に添付し、全ページに署名押印する
「登記簿を取ってきて貼る」は、思いつきの裏技ではありません。法務省が公式に認めている、いちばん確実な書き方です。
6. すでに相続が起きている方へ|期限は2027年3月31日です
相続が起きている方には、もう一つ急ぐ理由があります。
相続登記が2024年4月1日から義務になりました。相続を知った日から3年以内に登記しなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。
そして重要なのは、この義務が施行前の相続にもさかのぼって適用されることです。何十年も前に亡くなったお祖父さま名義のままの土地も対象で、その期限が2027年3月31日。この記事を書いている時点で、あと8か月です。
ここで所有不動産記録証明制度が効いてきます。そもそも見つけていない不動産は、登記のしようがありません。「知らなかった土地があった」というのは、後から見つかれば結局は自分たちの負担になります。
どうしても期限に間に合わないときは、相続人申告登記という簡易な手続きで義務違反を回避できます。ただしこれは「私が相続人です」と申し出るだけのもので、名義が移るわけではありません。あくまで時間稼ぎだとお考えください。
相続が起きた直後の手続き全体については、こちらにまとめてあります。
→ 【時系列でわかる】親が亡くなった直後にやること全リスト|江戸川区の手続きを行政書士が解説
7. 書いた遺言をどう残すか|法務局は「中身」を見てくれません
財産と相続人が固まれば、遺言はもう書けます。あとは、どう残すかです。
自筆で書いた遺言は、法務局に預けることができます(自筆証書遺言書保管制度)。手数料は1通3,900円。預けておけば、家庭裁判所の検認が不要になり、紛失や書き換えの心配もなくなります。
ただし、預けるための様式がかなり厳格です。
- A4サイズ、片面のみに記載
- 余白を必ず確保:上5mm・下10mm・左20mm・右5mm。1文字でもはみ出していたら書き直しです
- ホチキス等で綴じない(スキャンするため、バラバラのまま提出。封筒も不要)
- 複数枚ならページ番号(1/2、2/2のように総数がわかるように)。2026年3月2日の省令改正で、1枚だけの場合はページ番号が不要になりました
- 消えるインクは不可。ボールペンや万年筆で
- 氏名は戸籍どおりに。ペンネームは不可
予約制で、予約は本人が取ります。30日先まで予約でき、当日の予約はできません。ご夫婦で1通ずつ預ける場合は、お一人につき1件ずつ予約が必要です。
そして——ここが、この記事でもう一つお伝えしたいことです。
法務局は、遺言書の「内容」については相談に応じません。
法務局が確認するのは、上に挙げたような形式だけです。余白は足りているか、署名押印はあるか、日付は特定できるか。書かれている中身が有効に働くかどうかは、誰もチェックしてくれません。
これは法務省のサイトにもはっきり書かれています。「遺言書の内容について御不明な点がある場合は、弁護士等の法律の専門家に御相談ください」と。
つまり、法務局に無事に預けられたからといって、その遺言が思ったとおりに働くとは限らないのです。形式は完璧、でも財産が特定できていない。相続人が1人漏れている。——そういう遺言でも、法務局は預かってくれます。
8. 江戸川区の方へ|どこへ行けばいいか
この記事で出てきた書類を、どこで取ればいいかをまとめておきます。
所有不動産記録証明書・登記事項証明書 → 東京法務局 江戸川出張所
- 〒132-8585 江戸川区中央1丁目16番2号
- 電話:03-3654-4156(代表・自動音声)/証明書発行窓口の専用電話:03-3654-4167
- 窓口対応時間:平日 午前9時〜午後5時
- アクセス:JR新小岩駅南口からバス「江戸川区役所前」下車。葛西駅・西葛西駅・船堀駅からも新小岩駅行きのバスで「江戸川区役所前」下車
- 不動産登記の管轄は江戸川区。法定相続情報も扱っています
※所有不動産記録証明書は全国どの法務局でも請求できますので、お出かけ先の法務局でも構いません。ただし交付までの日数は登記所ごとに違うので、事前に確認されることをおすすめします。
遺言書の保管 → 東京法務局 本局
- 〒102-8225 千代田区九段南1丁目1番15号
- 江戸川出張所では遺言書保管を取り扱っていませんのでご注意ください
- 東京都内の遺言書保管所は5か所(本局・板橋出張所・八王子支局・府中支局・西多摩支局)。都内であればどこでも手続きできます
- 予約は「法務局手続案内予約サービス」のホームページから24時間可能。電話でも取れます
名寄帳(固定資産課税台帳) → 江戸川都税事務所 固定資産税課
東京23区の固定資産税は区役所ではなく都税事務所が扱っています。お出かけ前に、必要な書類を電話で確認されると確実です。
戸籍 → 江戸川区の区民課・各事務所
本籍地が遠くても、区役所の窓口でまとめて取れる場合があります(広域交付)。ただし取れる人・取れる書類に制限がありますので、詳しくはこちらをどうぞ。
→ 【2026年版】相続の戸籍集めが楽になった「広域交付」とは?江戸川区・葛西での取り方を行政書士が解説
9. どこまで自分でやって、どこから相談するか
正直に線を引きます。
ご自分でできること
- 所有不動産記録証明書を取る——請求書の様式は法務省のサイトからダウンロードできます。記載例もあります。ご本人の分なら、印鑑証明書か本人確認書類だけで請求できます
- 登記事項証明書を取る——地番さえわかれば、窓口でもオンラインでも取れます
- 名寄帳を取る——都税事務所の窓口で取れます
- 遺言書を書いて、法務局に預ける——様式さえ守れば、ご自分でできます
ご相談いただいたほうがいいこと
- 検索条件をどう設定するか——過去の住所をどこまで入れるか。何件の検索条件を立てるか。ここを間違えると、お金を払ったのに肝心の不動産が出てこない、ということが起きます
- 所有不動産記録証明書と名寄帳の突き合わせ——出てきた一覧を見比べて「これは漏れている」と気づくには、登記の読み方の知識が要ります
- 相続人が誰なのかの確定——ご自分が思っている相続人と、戸籍から出てくる相続人がずれることがあります
- 遺言の文面——法務局は中身を見てくれません。ここは専門家の目を通しておく価値があります
ざっくり言えば、「取る」はご自分でできます。「読む・組み立てる」が専門家の仕事です。
10. 当事務所ができること
当事務所では、次のようなお手伝いをしています。バラでご依頼いただけます。
- 所有不動産記録証明書の代理請求(委任状をいただいて、こちらで請求します)
- 登記事項証明書の取得と、名寄帳との突き合わせ
- 財産目録の作成(不動産・預貯金・有価証券)
- 推定相続人の調査(戸籍の収集+相続関係説明図の作成)
- 遺言書の文案作成と、法務局の様式に合わせたチェック
- 遺産分割協議書の作成、相続手続き一式
「全部まとめて」でも、「この部分だけ」でも構いません。ご自分で集められた分は、その分だけお見積りから差し引きます。途中まで進めてみて行き詰まった、という状態でも大丈夫です。
なお、登記の申請は司法書士、相続税は税理士、争いになっているものは弁護士の仕事です。当事務所は行政書士としてやってよい範囲を守り、その先は提携する専門家におつなぎします。そのとき、こちらで集めた戸籍や財産目録はそのままお渡しできますので、同じ書類を集め直したり、一から事情を説明し直したりする必要はありません。
よくあるご質問
Q1. 元気なうちに、自分の分を取ってもいいのですか?
もちろんです。ご本人が請求できます。むしろ、元気なうちに一度取っておくことを強くおすすめします。ご自分の記憶を確かめられますし、登記の住所が古いままになっていることに気づけます。ご家族に「うちの不動産はこれで全部だよ」と一覧を渡しておけるのは、それだけで大きな贈り物です。
Q2. 該当する不動産がなかったら、どうなりますか?
「該当する不動産はない」という内容の証明書が交付されます。この場合も手数料はかかり、返金されません。ただ、「ない」ことが公的に証明されるのは、それはそれで意味があります。
Q3. 兄弟の相続で使えますか?
請求できるのは登記名義人ご本人と、その相続人その他の一般承継人です。ご兄弟が亡くなって、あなたが相続人になる場合は請求できます。ただし、相続関係を証明する戸籍が必要です。
なお、ご兄弟の相続では、戸籍集めが最も大変になります。亡くなった方の出生から死亡までの戸籍に加えて、ご両親の出生からの戸籍まで必要になるためです。しかも、区役所の窓口でまとめて取れる広域交付は、ご兄弟には使えません。詳しくは戸籍の記事をご覧ください。
Q4. オンラインで請求できると聞きましたが、簡単ですか?
「登記・供託オンライン申請システム」の申請用総合ソフトをダウンロードして、電子署名をして請求します。手数料は少し安くなりますが(1,500円または1,470円)、パソコンの設定に慣れていない方には、正直ハードルが高いと思います。オンライン請求の場合は必要書類も全部オンラインで提出する必要があります。年に何度も使うものではないので、窓口か郵送で十分です。
Q5. 遺言を書くのに、どれくらい費用がかかりますか?
ご自分ですべてなさる場合、実費だけなら次のとおりです。
- 所有不動産記録証明書:1,600円(検索条件1件・1通)
- 登記事項証明書:1通600円(窓口)
- 戸籍謄本450円、除籍謄本・改製原戸籍750円
- 法務局の保管手数料:3,900円
不動産が数件なら、1万円前後で収まることが多いです。公正証書遺言に比べるとかなり抑えられます。専門家に依頼される場合は、この実費に報酬が加わります。当事務所では初回のご相談で、ご事情をうかがったうえでお見積りをお出ししています。
おわりに
「うちには財産なんてないから、遺言なんて要らない」
そうおっしゃる方は多いです。でも、揉めるのは財産が多い家ではありません。自宅が1軒あって、子どもが2人いて、現金があまりない——このかたちがいちばん割りにくく、いちばん揉めます。
そして揉める前の段階で、そもそも「何があるのか」がわからないために手が止まってしまう。これが本当によくあります。
今年始まった所有不動産記録証明制度は、その最初の一歩を軽くしてくれる制度です。1,600円で、自分が何を持っているかが一覧になって返ってくる。まずはこれを取ってみることを、おすすめします。
そして、もう一つだけ。
この作業でそろえる書類——不動産の一覧、登記事項証明書、戸籍——は、あなたが亡くなったあとにご家族が集めることになる書類と、まったく同じものです。
今あなたが取っておけば、ご家族はそれを集めなくて済みます。遺言を書く準備というのは、財産を分ける話であると同時に、ご家族の手間を先に引き受けておくことでもあるのです。
途中で行き詰まったら、そのときにご連絡ください。途中まででも大丈夫です。足りない部分だけをお手伝いします。
アイアグリー行政書士事務所(東京都江戸川区・葛西)
終活・遺言・相続を専門にしています。対面でのご相談を大切にしています。
- 初回相談:4,400円(税込)/ご依頼時は業務料金に充当します
- 対応地域:江戸川区(葛西・西葛西・船堀・小岩・瑞江ほか)/江東区・市川市など近隣
- ご相談内容:遺言書の作成・財産目録の作成・相続手続き・遺産分割協議書・死後事務委任・おひとり様支援 など
お問い合わせ:03-6808-4411 / https://iagree.jp/contact
※この記事は2026年7月31日時点の制度・公表情報にもとづいています。手数料や窓口の運用は変更されることがありますので、お出かけの前に法務局・都税事務所の公式サイトまたは各窓口でご確認ください。
※参考:法務省「所有不動産記録証明制度について」(令和8年2月2日施行)、法務省「自筆証書遺言書保管制度」、法務局における遺言書の保管等に関する省令の一部を改正する省令(令和8年法務省令第8号)、東京法務局、東京都主税局


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